1. 「うまく説明できない」のは、当たり前です
開発を頼もうと思ったとき、多くの方がこう感じます。「自分はITに詳しくないから、うまく説明できないかもしれない」。
でも、考えてみてください。家を建てるとき、施主が建築の専門用語を完璧に話す必要はありません。「家族が増えたので部屋が欲しい」「冬が寒いので暖かくしたい」——そういう暮らしの言葉を伝えれば、設計士がプロとして形にしてくれます。
システム開発も同じです。あなたが話すべきは技術ではなく、「いまの困りごと」と「こうなったら嬉しい」。それを翻訳して設計するのが、頼まれた側の仕事です。
2. 伝えるべきは、この3つだけ
きれいにまとめる必要はありません。次の3つが、口頭でも箇条書きでも伝われば十分です。
① いま、どうしているか(現状)
「毎月、各店舗からExcelが送られてきて、手で1つにまとめている」——こんな具合に、いまの作業の流れをそのまま話してください。ここが、一番大事な情報です。
② 何が大変か(困りごと)
「まとめるのに丸2日かかる」「たまに転記をミスする」——どこが、どれくらい大変か。具体的な数字(時間・回数・頻度)があると、なお良いです。
③ どうなったら嬉しいか(理想)
「ボタン1つで集計が終わってほしい」「ミスがなくなってほしい」——完璧でなくて大丈夫。ふわっとした願望で構いません。
3. 相談前に「あると助かる」もの
なくても相談は始められますが、あると話が一気に具体的になるものです。
- いま使っている書類やExcelの実物(一番効きます。見れば作業が分かります)
- 困っている作業の、ざっくりした流れ(メモ書き・手書きで十分)
- ご予算の目安(「50万円くらい」のような幅でOK)
- いつまでに、があれば(希望時期。なければ無理に決めなくて大丈夫)
特に「実物のExcelや書類を1つ見せる」のは、どんな言葉の説明よりも雄弁です。
私たちがご相談を受けるときも、まず「いま使っている書類、見せていただけますか?」とお願いすることが多いです。先日も、言葉では「複雑で説明しづらい」とおっしゃっていた業務が、実際のExcelを拝見したら5分で全体像がつかめた、ということがありました。伝える努力より、実物を見せるほうが早いことは少なくありません。
4. 逆に、用意しなくていいもの
がんばって用意しようとして、かえって手が止まる方がいます。次のものは、用意しなくて大丈夫です。
- ❌ きれいな仕様書(プロが一緒に作ります)
- ❌ 技術の知識(こちらが引き受けます)
- ❌ 機能の一覧(困りごとから逆算して提案します)
- ❌ 完璧に整理された資料(生のままで構いません)
「ちゃんと準備してから相談しなきゃ」と思って先延ばしにするより、整理されていない状態で一度話すほうが、ずっと前に進みます。
5. よくあるご質問
Q. 仕様書を書けないのですが、相談していいですか?
もちろんです。きれいな仕様書は必要ありません。「何に困っていて、どうなったら嬉しいか」が言えれば十分です。むしろ、整理されていない生の困りごとから一緒に形にしていくのが私たちの仕事です。
Q. 専門的なことを聞かれて答えられるか不安です。
技術的なことは、こちらからは聞きません。お聞きするのは「いまどうしているか」「何が大変か」という、あなたが一番よく知っていることだけです。技術の判断は私たちが引き受けます。
Q. 相談の前に、何か用意したほうがいいですか?
あれば助かるのは「いま使っている書類やExcelの実物」「困っている作業の流れ」「ご予算の目安」です。なくても相談は始められますが、実物が1つあると話がぐっと具体的になります。
6. まず「いまの困りごと」を、話してみませんか
要望の伝え方で悩んで、相談そのものを先延ばしにしてしまう——これが一番もったいないことです。
「うまく説明できないんですが…」という前置きからで、まったく問題ありません。私たちはまず、あなたの「いまどうしているか」をお聞きして、そこから一緒に整理します。専門用語は使いませんし、技術の判断はこちらで引き受けます。
頭の中のもやもやを、形にする。その最初の一歩を、ご一緒できればうれしいです。
から、ご相談ください
ITに詳しくなくても大丈夫です。ご予算の中でできることを、正直にお伝えします。
この記事を書いた人 鈴木 保乃香 (DesignLink) / 受託開発の進行管理・要件整理を担当。中小企業様向けの「予算と要件のバランス設計」を得意としています。ご相談は お問い合わせ から。