事例レポート 2026年6月27日 読了 約9分

在庫管理、ノートとExcelでもう限界かも──アプリ・自作・専用システムの選び方と費用感

「帳簿の在庫と、実際の数が合わない」「棚卸しのたびに半日つぶれる」「気づけば欠品、かと思えば過剰在庫」──在庫管理は、ちょっとした手作業のズレが積もって、お金のロスに直結する作業です。実はこの部分こそ、仕組みで大きく楽にできます。この記事では、無料アプリ・市販サービス・専用システムまで、それぞれ『どこまでできて、いくらかかるか』を、専門用語をなるべく使わずに整理します。お店や倉庫の規模に合った選び方の参考になればうれしいです。

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目次
INFO
この記事は「在庫の管理を、もっと正確に・楽にしたい」という小売店・ネットショップ・倉庫・製造の方に向けて書いています。専門用語はなるべく避け、避けられないものはその都度かみくだいて説明します。2026年6月時点の情報です。

1. 在庫の「ズレ」は、放っておくとお金のロスになる

帳簿では10個あるはずの商品が、棚には7個しかない。逆に、もう売り切れたと思っていた商品が、奥から大量に出てくる。

在庫管理の難しさは、「実際のモノ」と「記録された数字」が、少しずつズレていくことにあります。そしてこのズレは、欠品(売る機会を逃す)と過剰在庫(お金が眠る・廃棄になる)という、両方向のロスを生みます。

紙の帳簿や記憶、あるいは複数人がそれぞれExcelに書き込む運用では、このズレを防ぐのは至難の業です。だからこそ、「入った・出た」を一か所で記録し、誰が見ても同じ数字になる仕組みが効きます。

2. まず「何に一番困っているか」を見分ける

在庫管理の困りごとは、いくつかに分かれます。あなたの場合、どれが一番大きいですか。

  • 数が合わない(帳簿と実物がズレる、誰がいつ動かしたか分からない)
  • 棚卸しが大変(数えるのに時間がかかる、人手が要る)
  • 欠品・過剰在庫(適切な発注のタイミングが分からない)
  • 複数の場所(店舗・倉庫・ネットショップで在庫がバラバラ)
「全部まとめて」と思いがちですが、一番大きい困りごとを1つ決めると、選ぶべき方法が絞れます。数が合わないことが悩みなのか、複数拠点の連携が悩みなのかで、必要なものが変わります。

私たちがご相談を受けるときも、まず「いま在庫をどう管理していますか?」「いちばん困っているのは、数のズレですか、棚卸しの手間ですか?」とお聞きします。先日伺ったお店は「在庫システムを作りたい」とのことでしたが、よく伺うと商品の種類はそれほど多くなく、本当の悩みは「スタッフ全員がバラバラに記録していて、数が合わないこと」でした。それなら、全員が同じ画面を見て記録できる市販アプリで十分で、専用システムは要りませんでした。

3. 解決の3つの方法と、費用感

下に行くほど自社のやり方に合わせられ、費用も上がります。

方法A. 無料・低価格の在庫管理アプリ(費用: 0円〜月額数千円)

スマホやタブレットで、商品の「入った・出た」を記録できるアプリがたくさんあります。バーコードやQRの読み取りに対応したものもあり、棚卸しもぐっと楽になります。まずはここから試すのが手軽です。

  • 向いている: 数のズレ・棚卸しの手間が主な困りごと
  • 限界: 複数拠点の連携や、自社独自の管理単位には合わないことがある
  • 費用: 無料プランから。 機能を増やして月額数千円〜

方法B. 在庫+販売・発注がつながったサービス(費用: 月額数千円〜数万円)

在庫だけでなく、販売(POSやネットショップ)や発注ともつながったクラウドサービスです。売れたら在庫が自動で減り、一定数を切ったら発注を知らせる、といった連携ができます。

  • 向いている: 在庫・販売・発注をまとめて管理したい
  • 限界: 自社のやり方をサービスの形に合わせる必要がある。 移行に時間がかかる
  • 費用: 月額数千円〜数万円(規模・機能による)

方法C. 自社専用の在庫管理システム(費用: 数十万円〜)

「市販サービスでは、うちの在庫の数え方に合わない」「複数倉庫・独自の単位・他システムと一体化したい」という場合は、自社専用に作る選択肢があります。

  • 向いている: 管理が独自・拠点が複数・他システムと連携したい・規模が大きい場合
  • 費用感: 必要な機能に絞れば数十万円台から。「いちばん困っている部分」だけに絞ると費用を抑えられます
OK
順番に検討するのがおすすめです。数のズレが悩みならまずA。販売・発注まで連携したいならB。それでも自社の管理に合わないと分かってからC。これがいちばんムダのない進め方です。

4. 「結局うちはどれ?」の見分け方

こんな状況向いている方法
数のズレ・棚卸しの手間が悩みA(在庫管理アプリ)
在庫・販売・発注をまとめたいB(連携型サービス)
拠点が複数・管理が独自・連携したいC(専用システム)

どの方法でも共通して大事なのは──「いちばん困っていること」から手をつけること。数のズレが9割の悩みなら、まず在庫アプリ。そこが解決してから、次の困りごとを考えれば十分です。

5. よくあるご質問

Q. バーコードがない商品でも使えますか?

使えます。多くのアプリは、商品名や自分でつけた番号で管理できます。バーコードやQRを後から貼って読み取る運用にもできるので、まずは手入力で始めて、必要になったら読み取りを足す、という進め方が現実的です。

Q. 市販アプリと自作(自社専用)、どちらがいいですか?

まずは市販アプリを試すのがおすすめです。多くの在庫管理は市販で足ります。市販では「自社特有の管理に合わない」と分かってから、専用システムを検討すれば、ムダな出費を防げます。

Q. 頼むとしたら、何から相談すればいいですか?

「何を・どこで・どれくらいの種類、管理していて、いまここが大変」だけで十分です。まずは今のやり方をお聞きします。たいていは市販アプリで足りますが、独自の事情があれば専用の仕組みも含めて一緒に考えます。

6. まず「どこが一番大変か」を、一緒に整理しませんか

在庫管理は、毎日のことだからこそ、小さなズレが積もって大きなロスになります。でも、いきなり全部を変える必要はありません。

「数が合わないのだけでも、なんとかなりませんか?」──その一点からで大丈夫です。私たちはまず、どの方法がご商売に合っていて、どれくらいの費用でできそうかを、ご予算とあわせて正直にお伝えします。「まずは市販アプリで十分ですよ」とお伝えすることもあります。

棚卸しに半日かけていた日が、なくなる。その最初の一歩を、ご一緒できればうれしいです。

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まずは「何が必要で、何は削れるか」を一緒に整理するところから。
ITに詳しくなくても大丈夫です。ご予算の中でできることを、正直にお伝えします。
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この記事を書いた人  鈴木 保乃香 (DesignLink) / 受託開発の進行管理・要件整理を担当。中小企業様向けの「予算と要件のバランス設計」を得意としています。ご相談は お問い合わせ から。


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